桑原紀彦
小学6年生と中学3年生が対象の全国学力調査について、文部科学省は2025年度にも、中3生にパソコンやタブレット端末を使った出題・解答(CBT)を導入する方針を決めた。システムへの負荷を避けるため、実施日を複数回設けて学校側が選べるようにする。
27日にあった全国学力調査に関する専門家会議で実施を促す提言が報告され、導入に向けた課題を調べていくことが決まった。
全国学力調査は07年度の開始以降、紙の筆記形式で行われてきたが、例年約200万人が参加するため、結果の通知に2~3カ月かかるうえ、用紙の印刷・輸送や採点にかかるコストの大きさも指摘されてきた。
提言を受け、文科省は早ければ25年度の中3生の調査から、先行的に端末を使った出題・解答方式を導入。小6生については、26年度以降に実施する方針だ。ただ、現行のように同じ日に一斉に実施するとアクセスの集中でシステムに不具合などが生じることも想定されるため、一定期間内に複数の実施日を設けて学校側が選べるようにする。
これに伴い、問題を複数作る必要があるため、難易度をそろえる仕組みのほか、結果分析や児童生徒への伝達方法、システムの技術的課題などについて専門家会議で調査検討を進める。
小中学校では国のGIGA(ギガ)スクール構想により、今春から1人に1台配られた端末を使った教育が本格化している。学力調査と同時に行われる学習状況調査では今年度、小中約100校でこの端末によるオンライン方式の回答が試行された。(桑原紀彦)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル